カッコよくて温かい
A.P.C.の世界観をここから
発信し続けていく

荒木 ダイアナ[A.P.C.]

憧れのブランドに2度挑戦

宮崎に住んでいた頃から[A.P.C.]に憧れ、[A.P.C.]の店舗のある福岡まで買い物に行っていました。そのうち、ファッションの世界へ進むことが目標になり、夢を叶えるために上京。ファッションの専門学校を卒業し、スタイリストのアシスタントを経て、大好きな[A.P.C.]を受けました。けれど1度目の挑戦はあえなく失敗。一緒に受けた人達が全身[A.P.C.]の服できめているのを見て、これは「落ちたな」とわかりました。それでも諦めきれず、4年後に再び挑戦。今度は自分も[A.P.C.] でトータルコーディネートし、面接に挑み、採用していただきました。その時は、自分が思う精一杯の[A.P.C.]らしい恰好をしたつもりでしたが、今思うとぜんぜん[A.P.C.]らしくなかったですね。その後、丸の内店、新宿高島屋店を経て、現在の店舗へ。3年前からサブとなり、2017年4月、前店長が退社されたのを機に、店長となりました。まだ店長になったばかりで、いつもお店のスタッフに助けてもらっています。
昔のコレクションや、デザイナーであるジャン・トゥイトゥの想いが詰まった資料が残る現在の店舗で働いていると、今でも「[A.P.C.]らしさとは何か」を探し続けている状態なのだなと実感します。そんな毎日を楽しめるようになったら、自分のなかの[A.P.C.]らしさが見つかるのかなと思っています。

育休からの復帰後、仕事の楽しさを再確認

「店長にならないか」というお話をいただいた時、うれしいのと同時に、小さい子供がいてもチャンスをもらうことができるんだと驚きました。この仕事が好きで、出産間際まで店頭に立ち、半年の育児休職を経て働いていた私が、子供を育てながら販売の仕事を続けるのは、決して簡単ではありませんでした。周りのスタッフ、家族、保育園のサポートなくしては、続けられません。「今でもみんなに迷惑をかけているのに、店長なんてやっていけるんだろうか」という気持ちになったこともありました。けれど、尊敬する前店長が「結婚しても、子供がいても仕事を続けている。私にはできないことをすでにやっているのだから、絶対大丈夫」と背中を押してくださり、今、周りの方みんなに助けられながら、お店を任されています。
育児休職中、子供と2人きりの生活では、あんなに好きだったファッションのことも考えられず、社会から孤立してしまったような感覚がありました。それが復帰して、おしゃれして、普段会わない人達と話していると、楽しくてやりがいを感じ、本当にいい仕事だなと思います。仕事の時は育児のことは忘れて、また子供の前では仕事のことを忘れ、目の前のこと1つだけに集中してやるのが自分流。それができるのも、周囲のフォローがあってこそと、心から感謝しています。

受け継がれる世界観を次の世代へ

[A.P.C.]に入ると、誰もがぶつかるのが、先程の[A.P.C.]らしさという壁。このブランドは、ただいい服を売っているわけではなく、媚びない世界観やそこで働くスタッフたちの映画、音楽等のカルチャーへの深い造詣など、ライフスタイル全部で表現するブランドです。私自身も入社したばかりの頃、先輩達の生き方のカッコよさに圧倒され、仲間になりたい、認めてもらいたいとの一心から、勧められた映画や音楽をチェックし、[A.P.C.]らしさを模索し続けていました。
今、新しくスタッフが入ってくると「[A.P.C.]らしさって何ですか?」とよく相談を受けます。そういう時には、私が先輩から教えてもらったすべてを伝えるようにしています。そうやって次へとつないでいくことで、先輩たちが培ってくださった[A.P.C.]らしさがここに息づいていくのかなと思います。

[A.P.C.]を求めてくださるお客様のために

路面店である現在の店舗は、ふらっと立ち寄るというより、ここを目がけて来てくださるお客様がほとんど。そのため、[A.P.C.]の世界観をいっそう求められています。その期待を裏切らないよう、現在の店舗でしか味わえない魅力を伝えていくのも私達の仕事。販売を通してこれからも表現していきたいと思っています。

接客を通し、出来るすべてをやっていく

[A.P.C.]は、カッコいいだけではなくて温かみもあるブランド。押しの強い接客はしませんが、それでも「何か必要な時には、私達がすぐ手助けします」という姿勢を大切にしています。店舗が1階と2階に分かれていてフィッティングが2階にしかないので、1階でお客様がどの洋服をさわっていたかを把握しておき、フィッティングに入られたのと同時に、1階で確認していた服もお持ちするようにしています。
また、お買い上げいただいた後には、どんなお客様が何をどんな理由で購入されたか、ひとつの成功パターンとしてみんなで共有。店舗で着用する服も、その日のカラーやテーマを決めてみんなで合わせて着たり、売り上げが思うように上がらない時には、店頭のディスプレイを変えたりと、結果を出すために出来ることはすべてやるようにしています。

多くの方にファンになっていただけるように

お客様が気持ちよくお買い物できるように一生懸命お手伝いする、その気持ちが伝わり、多くの方にこのブランドのファンになっていただけたらうれしいですね。
また、結婚、出産しても好きな仕事が続けられる、戻ってこられる、そんな働く女性にやさしい職場づくりにもぜひ力を入れていきたいです。

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